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メタルLANケーブル

伝搬遅延と遅延時間差

光が真空中を伝達する時間は1m当たり3.33nsであるが、この光の場合と同じに電気信号が銅線ケーブル内を伝送する場合に要する時間は絶縁体の材質やケーブルの構造によって若干の差はあるが、約4.5〜5.5ns/mである。この数値と光の速度の比を公称伝搬速度(NVP:Nominal Velocity of Propagation)と称して、光の速度を100とすると、ケーブル対内を伝わる信号の速度はおよそ60〜75%となっている。

以前、米国内でケーブルに難燃性を付与するために使用しているフッ素系樹脂が枯渇してしまい、絶縁体代替材料にポリ塩化ビニルを使うメーカがあった。その結果、そのメーカのLAN用ケーブルの伝搬遅延が対によって大きく違うものがあり、同一ケーブル内の対間の遅延時間差が他のケーブルに比べて数倍のものも現れた。他の性能が優れていても、結果的にはLAN用としては使用できない場合があったらしい。

そのことが伝搬遅延と遅延時間差の規格値を制定するキッカケになっているとのことである。

伝搬遅延は、絶縁体の比誘電率と撚りピッチの影響を受ける。遅延はおおよそ絶縁材料の比誘電率(絶縁体と真空との誘電率の比)の平方根に比例する。誘電率の小さい材料で絶縁した方が遅延時間は小さくなる。

カテゴリ5eケーブルの絶縁体は、一般に2種類が使われている。難燃性を要求される場合にはフッ素系の材料が使用され、そうでない場合にはポリエチレンが使用されている。カテゴリ3ケーブルでは、特に米国において、主にポリ塩化ビニルが使用されているようである。ポリ塩化ビニルは、ポリエチレンやフッ素系の樹脂のものに比べて誘電率が大きく、従ってポリ塩化ビニルで絶縁されたケーブルの遅延時間は、ポリエチレンやフッ素系の樹脂より大きくなる。仮 に、同一のケーブルの中にフッ素系の樹脂とポリ塩化ビニルの絶縁が混在すると、対間の遅延時間差は非常に大きくなり、送信が同時でも、受信時間に大きな差が生じてしまい、LAN 回線としての伝送に不都合が生じることになる。

また、伝搬遅延時間は、対の撚りピッチによってもかなりの影響がある。漏話特性を改善するために、カテゴリ3よりもカテゴリ5eケーブルの方が撚りピッチが細かくなりがちであり、その反面、伝搬遅延が増加する事についても十分に考慮しなければならない。

遅延時間差とは、同一ケーブルの中の4対において、それぞれの対の中を信号が進む時間の差をいう。 規格では同一ケーブルの中で最大の対間遅延時間差について規定している。

ケーブルの中で、送信端から受信端まで信号が進む時間の差が一定の時間以内でないと受信端での信号の再生が難しくなる。ケーブル内を平行して伝送してきたデータを受信端でバッファメモリに収容するとき、受信端において一つのデータの流れとしてとらえるためには、一定の正確な時間内にデータを受信する必要がある。そのために、遅延時間差に限界値をもうける必要がある。

これらの伝搬遅延と遅延時間差は、ケーブルに固有の特性なので、ケーブルを敷設するときの作業性にはほとんど影響されない。しかし、ケーブルを敷設する際に使用するパッチコードやジャンパおよび端末接続用のコードとしては、できるだけケーブルと性能の一致したケーブルやコードを使用するとともに、4 対すべてを同一長さとする必要があることはいうまでもない。

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